2010-08-23 大岡昇平「無罪」 文学 大岡昇平 大岡昇平による13の「裁判物語」(裏表紙より)。一日で読んだ。 「事件」もそうだったが、確かにこれは推理小説ではなく「裁判物語」と呼んだほうがよさそうである。想定された読者層のせいか、大岡的調査はそれほど徹底していない。彼の好きな、箴言的な冷めた文句もあまりない。が、楽しめた。 大岡の推理ものへの関心が戦時中にすでにあった点は覚えておきたい。