空の下

フリーランスの編集者/ライター、佐藤の日記です。主な仕事に『栗村修の気楽にはじめるスポーツバイクライフ』『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』(いずれも洋泉社)、雑誌『バイシクル21』連載「輪上生活」など。ほかにも雑誌、WEBへの執筆多数。sato.takashi0970あっとgmail.com

2010-09-01から1ヶ月間の記事一覧

加藤周一「日本文学史序説」第三章「「源氏物語」と「今昔物語」の時代」

加藤は、10〜12世紀のおよそ三百年を、第一の鎖国期とする。第二はむろん江戸時代である。こういう重要な視点をさらっと提示するのが加藤周一である。 摂関政治から院政に至るこの時代、この島国において起こったことは、第一に、一個の文化体系(平安文化、…

ゲーテ「若きウェルテルの悩み」

ブック・オフにて百円。 途中、ウェルテルがロッテのそばに帰ってきたあたりでずいぶん長い間ほったらかしにしていた。モーパッサン「女の一生」もそうだが、人間の本質的な問題に、つまらない技巧など無しに、ほぼ直球で切り込んでいるのが過去の傑作の特徴…

桑原武夫「文学入門」

岩波新書。五章に分かれている。 一章「なぜ文学は人生に必要か」。優れた文学はインタレスト(amusingではなく)を持つ。作者は、彼がインタレストを持った対象との間の主観-客観(特殊-普遍関係でもあろう。この点は、石川淳の「文学大概」における議論に…