空の下

フリーランスの編集者/ライター、佐藤の日記です。主な仕事に『栗村修の気楽にはじめるスポーツバイクライフ』『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』(いずれも洋泉社)、雑誌『バイシクル21』連載「輪上生活」など。ほかにも雑誌、WEBへの執筆多数。sato.takashi0970あっとgmail.com

大江健三郎

サンカまたはそこにあるファンタジー

高田馬場に行ったら、ちょうど古本市をやっていた。そこで購入。 サンカの起源 ---クグツの発生から朝鮮半島へ作者: 筒井功出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2012/06/15メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 元の定価は税別でも2400円、古本市で…

大江健三郎「ピンチランナー調書」

序盤を除き、主人公「僕」が森・父のゴーストライターとなり、小説の大部分は森・父の一人称「おれ」で話が進む。この手の込んだ語りの仕方がどういう意味を持つのか僕にはわからなかったが、楽しめた。しかしやはり大江さんのこの文章はいただけないな。翻…

大江健三郎「個人的な体験」

障害を持った子を授かった直後の大江の作品。この作品に、彼の生涯の問題意識ははっきりと表れている。文章もあまり気にならず、楽しめた。 異常児を授かることすなわち「個人的な体験」と決して個人的ではない出来事すなわちフルシチョフの核実験との対比。…

大江健三郎「同時代ゲーム」と1980年の神話たち

二ヶ月ほど前、筒井康隆が朝日朝刊の連載で絶賛していたのを見て購入。ようやくこの、村=国家=小宇宙の大物語を読み終える……。 大江に関しては、朝日朝刊の連載と「ヒロシマ・ノート」だけを読んでいる。実に読みにくい文章を書く、という印象。今のところ、…