空の下

フリーランスの編集者/ライター、佐藤の日記です。主な仕事に『栗村修の気楽にはじめるスポーツバイクライフ』『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』(いずれも洋泉社)、雑誌『バイシクル21』連載「輪上生活」など。ほかにも雑誌、WEBへの執筆多数。sato.takashi0970あっとgmail.com

戦争

五味川純平「虚構の大義」、「俘虜記」、「野火」、戦争

かなり前に一度読んでいるが、再読。 大岡作品、特に「野火」との共通点の多さに驚く。五味川によれば、この作品は「ドキュメント」らしいが、これは大陸における「野火」であると言ってよいと思う。 例えば、敵(この場合ソ連兵)は、具体的な存在としては…

M.ロワン=ロビンソン「核の冬」

岩波新書。 いわゆる「核の冬」現象が意識されるようになったのは案外新しく、八十年代らしい。 核の冬現象は、チリよりも、火災の結果による側面が大きいらしい。すなわち、核弾頭の小威力化や減少が、ただちに核の冬減少の大幅な改善をもたらすとは限らな…

野間宏「真空地帯」

筑摩現代文学大系。かなり時間を書けたが読了。その理由はこの泥みたいな文体にある。 野間の文体が、当時、結構なインパクトを与えたことは耳にしたことがある。その文体は、人間を、外と、内の両面から描こうとする「総合小説」の手段であるらしい。それは…