空の下

フリーランスの編集者/ライター、佐藤の日記です。主な仕事に『栗村修の気楽にはじめるスポーツバイクライフ』『栗村修のかなり本気のロードバイクトレーニング』(いずれも洋泉社)、雑誌『バイシクル21』連載「輪上生活」など。ほかにも雑誌、WEBへの執筆多数。sato.takashi0970あっとgmail.com

2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧

ヘミングウェイ「老人と海」

「普賢」に続き、ちょうど手元にあったこいつも四万字程度なので読む。十年程度前に読んだ記憶があるので、これも再読。 福田恒存の訳は読みやすく、あっという間に終わる。特に感動はなし。仕留めた後にサメとの第二の戦いが待っている娯楽的技術やマッチョ…

石川淳「普賢」再読

加藤周一は石川淳について「この作家の二極構造(またはdichotomy)は、一方に、「生活」、「地上」、「凡俗」、「生理」、「肉体」、「心理」をおき、他方に、「ことば」と「精神」を立てる」と書いている(「石川淳または言葉の力」)。これは石川の世界に…

大江健三郎「ピンチランナー調書」

序盤を除き、主人公「僕」が森・父のゴーストライターとなり、小説の大部分は森・父の一人称「おれ」で話が進む。この手の込んだ語りの仕方がどういう意味を持つのか僕にはわからなかったが、楽しめた。しかしやはり大江さんのこの文章はいただけないな。翻…