2010-11-01から1ヶ月間の記事一覧
「普賢」に続き、ちょうど手元にあったこいつも四万字程度なので読む。十年程度前に読んだ記憶があるので、これも再読。 福田恒存の訳は読みやすく、あっという間に終わる。特に感動はなし。仕留めた後にサメとの第二の戦いが待っている娯楽的技術やマッチョ…
加藤周一は石川淳について「この作家の二極構造(またはdichotomy)は、一方に、「生活」、「地上」、「凡俗」、「生理」、「肉体」、「心理」をおき、他方に、「ことば」と「精神」を立てる」と書いている(「石川淳または言葉の力」)。これは石川の世界に…
序盤を除き、主人公「僕」が森・父のゴーストライターとなり、小説の大部分は森・父の一人称「おれ」で話が進む。この手の込んだ語りの仕方がどういう意味を持つのか僕にはわからなかったが、楽しめた。しかしやはり大江さんのこの文章はいただけないな。翻…